製造業における基本的な業務フローは、部品表(BOM:Bill of Materials)と密接に結びついています。製品を構成するために必要な資材リストや工程フローの定義から、作業指示書(ワークオーダー)をもとに BOM を展開し、製造に必要なすべての資材と工程を生成するまで、すべてが BOM を中心に動いています。
この一連の活動を効率的に進めるには、製造・在庫・販売までを一元的に支援できる生産管理システムが欠かせません。
Ragic の生産管理テンプレートを使えば、資材情報を詳細に把握できるため、生産・管理業務にかかる工数を削減し、残業を減らしつつ、資材の需給状況を常に把握することができます。
Ragic アカウントをお持ちでない方は、こちらをクリックして生産管理テンプレートをインストールしてください。すでに Ragic ユーザーの方は、テンプレートのインストール画面の「製造」カテゴリーから「生産管理テンプレート」を選択できます。

それでは、Ragic の生産管理テンプレートを実際に見ていきましょう。各シートの役割、新しいデータの追加方法、そしてテンプレートの活用方法をご紹介します。
「生産管理」テンプレートは、製造製品と必要資材、各製品の部品表(BOM)や生産フロー、作業指示書を管理するためのテンプレートです。また、このテンプレートでは作業指示書からの BOM 展開にも対応しており、生産工程中の出庫申請や、生産完了後の入庫に使用するシートも含まれています。
このテンプレートは 9 つのシートで構成されています。そのうち「作業指示の材料」シートは参照専用で、シート間の関連付けを行うためだけに使用されます。このシートにデータを入力する必要はありません。
対応するデータ入力の流れについては、以下のフローチャートをご参照ください。

販売製品、資材、包装資材、中間製品、完成品など、すべての品目はこのシートで登録します。「組立」シートは、実際には以下のテンプレートに含まれる複数の在庫関連シートの一種です。
-在庫管理テンプレート の 在庫シート
-受注管理テンプレート の 製品(SO)シート
-購買テンプレート の 製品(PO)シート
生産管理テンプレートの「組立」シートでは、共通フィルタ が適用されており、「生産」 が「ソース」欄に選択されているレコードのみが表示されます。もし「調達」が選択されている場合は、該当製品は 製品(PO)シート に表示されます。また、「販売製品」がカテゴリに選択されていない場合は、製品(SO)シート には表示されません。
このシート内の 部品表(BOM) 子テーブル では、各組立品に対応する複数の BOM を一覧で確認できます。BOM の情報はこのシート上で直接作成するものではないため、ここでは「閲覧のみ」に設定されています。特定の BOM の内容を確認したい場合は、バージョン項目 をクリックすると BOM シート が開きます。この機能の設計方法については、こちらの記事をご参照ください。

このシートは、組立品を構成する部品や資材を一覧化するためのものです。
「ソース」フィールドが 「生産」 に設定されている組立品は、製造に必要な資材の参照リスト(BOM)を持つ必要があり、作業指示書 から BOM を展開(アクションボタンの実行)できるようになります。
ひとつの組立品に複数の BOM を登録することができますが、有効なものとして設定できるのは 1 つの「主 BOM」だけです。
新しいレコードを作成し、リンク設定された 「組立」 を選択すると、該当製品の部品表情報が読み込まれます。
各フィールドの内容は以下の通りです。
組立番号(Assembly No.):この BOM が属する 組立 を選択します。「ソース」欄が「生産」に設定されている組立のみがリストに表示されます。
生産数量(Production Qty):一度に生産する組立品の数量を指定します。
主 BOM(Primary):同じ組立に複数の BOM が存在する場合、どれか 1 つを「主 BOM」として指定します。
例えるなら、同じ料理でも複数のレシピがあっても標準レシピは 1 つだけ、というイメージです。
部品情報 子テーブル(Components Information subtable):
この組立品を製造するために必要な構成部品の一覧を登録します。料理の材料リストのようなもので、使用する 部品番号(Component#) を選択し、必要数量を入力します。
3 行目を入力すると自動で次の行が追加されるため、部品数が多くても問題ありません。
補足:
各 部品番号(Component#) には リンクと読み込み が設定されており、組立 シートから選択するだけで、名称・仕様・単位などの関連情報が自動入力されます。
バージョン フィールドは、同一組立の既存 BOM のうち最も大きいバージョン番号に 1 を加えて自動生成されます。
また、BOM 番号は 組立番号 と バージョン番号 の組み合わせで構成されています。
この採番方法を変更したい場合は、デザインモードで式を削除してください。

また、アクションボタン を使って、対象の組立に新しい BOM を直接作成することもできます。

この方法では関連する 組立 を手動で選択する必要がなく、システムが自動で設定してくれます。残りのフィールドを入力するだけで完了です。

作成した BOM は、自動的に該当する 組立 のシート内にある 参照子テーブル に表示されます。

この 2 枚のシートでは、製造に関する「生産プロセス」と「作業場」の情報を登録できます。
これにより、後で 製品生産プロセス を作成する際に、各ステップで該当する工程コードや作業コードを選択できるようになります。

各組立品(Assembly)には、1 つの生産フローだけが設定されます。
「製品生産プロセス」シートは、在庫シートの派生バージョンの一つで、各組立品の製造工程を記録するために使用します。
このシートには 固定フィルター が適用されており、ソース が 「生産」 に設定されている組立品のみが表示・編集対象となります。
組立品をクリックしてレコードを開くと、生産フローを 子テーブル に記録できます。
工程コードおよび作業コードは、それぞれ対応する 生産プロセス・作業場シート にリンク設定されています。
コードを選択すると、工程名・作業名が自動入力されますので、その後に作業内容の詳細を手動で入力します。

「作業指示書」シートは、以下の情報を記録するために使用します。
-製造対象の組立品
-参照する BOM(部品表)
-生産数量(手動入力)
-必要な原材料とその数量
-関連する生産フロー(アクションボタンで自動入力)
このシートは大きく 5 つのセクションに分かれています。
まず、上部の作業指示情報を入力します。主な項目は以下の通りです。
生産対象となる組立品を選択します。このフィールドは 組立シート とリンクされており、動的フィルター によって、ソース が 「生産」 に設定されている組立品のみがリスト表示されます。

生産数量 を入力した後、参照する BOM を選択します。このフィールドにも 動的フィルター が設定されており、選択した組立品に関連する BOM のみが表示されます。

ステータス フィールドは数式で自動判定されるため、手動入力は不要です。
開始日 を入力すると、自動的にステータスが 進行中 に変わります。
データを保存した後、次の順にアクションボタンをクリックします:
「BOM 展開(BOM Explosion)」または「BOM 展開(半製品まで)[BOM Explosion (to Semi-finished products)]」 → 「生産フローを入力」
これにより、指定した製品数量を生産するために必要な資材と数量、そして該当する生産フローが自動で展開されます。

もし生産対象の中に、他の資材から構成される 半製品(セミフィニッシュ品) が含まれている場合(例:袋とラベルシールから成る「パッケージセット」など)、その半製品は最終製品に必要な一部の構成要素として扱われます。
「BOM 展開」 をクリックすると、半製品を含むすべての階層の資材が表示されます。
一方、半製品の詳細を展開せずに第一階層の資材のみを確認したい場合(例:半製品の製造が今回の工程に含まれない場合)は、「BOM 展開(半製品まで)」 を使用します。

自動で入力された資材情報および生産フローが正しいことを確認したら、
3 番目のアクションボタン 「材料払出データを作成(Create Materials Requisition)」 をクリックします。
このボタンは データコンバート を実行し、
作業指示書の資材および数量の情報を 材料払出シート に転送します。

もし受領した数量が実際の使用数量より多く(未使用資材が発生)その余剰分を返却する必要がある場合は、
4 番目のアクションボタン 「材料返品データを作成(Create Materials Return)」 を使用します。
このボタンも同様に データコンバート を行い、
構成部品および残数量(「受領数量 − 使用数量」を計算する数式付きの非表示フィールド)を
材料返品シート に送信して返却処理を行います。

払出・返品に関する詳細は、こちらのセクション をご覧ください。
下部の 子テーブル「取引情報」では、
生産過程で発生した取引情報を手動で入力することができます。

製造が完了したら、完了日 を入力するだけで OK です。
ステータス フィールドの数式が自動で検知し、ステータスが 完了 に切り替わります。

作業指示書のステータスが 完了 に設定された後、
5 番目のアクションボタン 「入庫データを作成(Create Incoming Stock)」 をクリックすると、
在庫管理テンプレートの入庫シート にコンバートされます。
この操作で 入庫日時 が自動入力されますが、
実際の在庫反映は入庫シート上で行う必要があります。

(以下の画像では、払出シート を例に説明しています)
これら 2 枚のシートのデータは、作業指示書の アクションボタンによるレコードコンバート で自動作成されます。
必要な資材情報(資材番号、資材名、数量 など)が、自動的に払出および返品シートへ転送されます。
特に、数量(Qty)は作業指示書の展開済み BOM 子テーブルにある「消費数量(Qty to Consume)」および非表示フィールド「残数量(Qty Left)」から、それぞれ払出・返品シートへ変換されます。
ここで入力が必要なのは、払出または返品の際に資材を「どの拠点から/どの在庫へ」動かすかを指定する 拠点コード と 在庫番号 のみです。
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データを保存したら、アクションボタン を使って次の順に操作します。
まず 「資材払出/返品を送信(Send Material Requisition / Return)」 をクリックし、その後に 「作業指示書の受領数量を更新」 をクリックして、作業指示書上の受領数量を更新します。

このシートは、作業指示 内の BOM(部品表)展開/資材リスト子テーブル から 新規シートとして生成 されたもので、データは常に同期されています。
すべての手動編集やデータ追加は作業指示書上で行うため、このシート内の全フィールドは 閲覧のみ(読み取り専用) に設定されており、直接の編集はできません。
ただし、アクションボタンによる更新が行われた場合(例:材料払出または返品シートで 「作業指示書の受領数量を更新(Update Work Order Qty Received)」 ボタンを実行した場合など)は、その更新内容がこのシートにも反映されます。
また、特定の作業指示書における各資材の使用状況を分析したり、他シートとの関連付けを行いたい場合は、このシートを活用してレポートを作成したり、追加のリンク関係を構築することも可能です。
