施賀さんが語る:Ragic を活用した現場課題の解決と柔軟な業務ソリューション

施賀さんと Ragic の出会い
東京と台湾を行き来しながら、中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援している施賀さん。業務システム導入の現場で翻訳や導入サポートを行い、製造業から不動産業まで、幅広い業界の業務改善に携わってきました。
長年の経験の中で感じたのは、多くの企業が抱える共通の課題——「Excel に頼った管理が限界に達している」ということでした。
データが増えるほど管理が煩雑になり、バージョンの不整合や情報の齟齬が発生。かといって、従来型の業務システムは柔軟性に欠け、現場の変化に対応できない。
そんな中、友人から「あなたのように自分で業務フローを設計できる人にぴったりなツールがあるよ」と紹介されたのが Ragic でした。軽い気持ちで登録してみたところ、その使い心地に驚かされます。
「これだ、ずっと探していたものだ。」
それ以来、施賀さんはコンサルティング業務の中で Ragic を提案・活用し、企業が抱える情報システムのボトルネックを打開する有力な選択肢として取り入れています。
導入のきっかけへー紙と Excel の混在管理
製造現場を訪れると、紙の記録と Excel 管理が混在しているケースをよく目にします。例えば、機械の稼働記録をまず紙に手書きし、その後オフィスで再入力する——。このような作業は手間がかかるうえ、入力ミスの原因にもなります。
Ragic を試用し始めてから、状況は大きく改善しました。スマートフォンやタブレットから直接入力・検索できるようになり、QRコードを読み取るだけでデータを呼び出せる仕組みを構築。オフィスに戻って再入力する時間を大幅に削減できました。
Ragic を導入したくなる4つの理由
1. Excel に近い操作性と豊富な学習リソース
Ragic は Excel のような直感的操作が可能で、既存の Excel ファイルをそのまま取り込んだり出力したりできます。Excel に慣れた人なら数時間で基本操作を習得でき、導入初期のハードルを大きく下げることができます。さらに、公式ドキュメントや多言語対応の動画チュートリアルも充実しており、初心者でも数週間で現場運用レベルに到達可能です。
「以前は新システム導入後、社員が慣れるまで2〜3ヶ月かかっていました。今では1ヶ月もしないうちに自走できるようになり、新人が私より詳しくなることもあります。」
2. 柔軟なカスタマイズ性
Ragic の最大の強みは、フィールド設定やアクセス権限、ワークフローを自由に変更できる柔軟性です。
製造業では顧客ごとに異なるフローを構築し、不動産業では市場変化に合わせて物件情報の項目を追加・編集するなど、
プロジェクトや業種ごとに素早く対応できます。
「現場でヒアリングしながらその場でシステムを調整できる。技術者を介さずに済むので、コミュニケーションが格段にスムーズです。」
3. クロスシート連携によるデータ統合
Ragic はフォーム間のリンクやデータの相互参照が容易に行えます。部署ごとに分散していた情報を1つのプラットフォームに集約し、常に最新データを共有できる環境を実現しました。
「以前は部門ごとにファイルが違い、整合性を取るのに数日かかっていました。今ではワンクリックで最新データを確認でき、重複作業や情報の食い違いがほぼなくなりました。」
4. モバイル対応による即時性
Ragic のモバイルアプリを使えば、現場でもデータの閲覧・更新が可能です。製造現場での在庫チェックや、サービス業での納品確認など、どの業種にも応用できます。
「外回り中にその場で入力・判断できるので、業務スピードが格段に上がりました。」
日本市場における活用例と今後の展望
施賀さんは、現在スマートグラス開発企業と連携し、Ragic との接続テストを進めています。正式導入には至っていないものの、すでに API を介してスマートグラスと Ragic を連携させ、現場で顧客を示す QR コードをスキャンすると、社内に蓄積された顧客情報が即座に表示される仕組みを構築しています。将来的には、その場でデータ編集を行える可能性もあります。
このような AR 活用が実用段階に入れば、現場スタッフがリアルタイムで情報を取得できるだけでなく、「ハード × ソフト」を融合した新たなソリューションとなり、Ragic が日本市場へ切り込むための有効なアプローチになり得るといいます。
また、施賀さんは、Ragic の強みは単一部門の課題解決に留まらず、業種や規模を問わず柔軟に組織へ馴染み、現場から管理層まで幅広くメリットを提供できる点にあると語ります。一方で、日本市場での導入推進には、IT 部門の新システムに対する慎重な姿勢、Ragic のブランド認知不足、部門横断の導入・運用調整といった課題も存在しています。
こうした課題に対し、施賀さんは業界を横断した PoC(概念実証)を積み重ねるとともに、IT 部門および経営層に向けて、リスク管理や運用設計に関する説明資料を整備することで、不安の軽減と導入促進に取り組んでいます。今後は既存パートナーとの協業をさらに深めつつ、スマートグラスやハンディスキャナなど、ハードウェアと Ragic を組み合わせた活用シーンを拡大し、低コストで提供できる統合ソリューションとして日本市場を開拓していく予定です。
「Excel を触ったことがある人なら、誰でも使いこなせる。
あとは、どう活かすか次第です。」
